建設業界の数字

Vol.01

2017.08.09

球場を覆う屋根膜の重量

東京ドーム (東京都文京区)

文・三田村 蕗子

400 t

 東京ドームの○倍、○杯分。建物の広さやキャパシティを表現するときの目安として利用される東京ドームは、1988年に開場した日本初の屋根付き球場です。
 球場を覆う屋根膜には、東京ドームのために特別に開発されたフッ素樹脂コーティングしたガラス繊維膜材が使用され、28本のケーブルによって支えられています。その重量は約400トン。この屋根膜の内部を詳しく見てみましょう。
 内部は2重構造になっていて、厚さが内膜が0.35 mm 、外膜が0.8 mm。驚くべき薄さではないでしょうか。なぜこのように薄く作られているのかといえば、太陽光を透過するため。この薄さにより、東京ドームの屋根膜は約5%の太陽光を透過させることができる。つまり省エネに効果的なのです。
 東京ドームには当時としては最新のテクノロジーが随所に採用されています。その代表格が、空気の圧力差で屋根膜を支える「エアー・サポーテッド・ドーム」という仕組みでしょう。
 ドームの内部には、スタンド最上部に設置された計36台の加圧送風ファンによって絶えず空気が送り込まれています。加圧送風ファンによって送り込まれた空気により、ドーム内の気圧は外部より0.3%高くなっています。この空気がドーム天井にある空気孔へ向かうと空流が生まれ、この空流が柔軟な素材でできた天井に当たり、球形の形状を作り出すのです。
 東京ドームでは出入り口が回転ドアになっていますが、これは「ドーム内部の気圧を保つ」ため。回転ドアには建物内の密閉性を高め、冷暖房の空調効果を高め、外から吹き込む風によって建物内の部屋のドアが開きにくくなる現象を防げる役割以外に、内部の空気を漏れにくくする効果があります。400トンの屋根膜を備え、球形に膨らんだ東京ドームに回転ドアは欠かせない存在なのです。

TEAM SUSTINA