建設業界の数字

Vol.03

2017.08.09

未完の建築物の完成年

サグラダ・ファミリア[聖家族教会] (スペイン・バルセロナ)

文・三田村 蕗子

2026

 スペイン・カタルーニャ出身の建築家アントニ・ガウディ氏が手がけたスペイン・バルセロナにあるサグラダ・ファミリア(聖家族教会)が着工したのは1882年。放物線状構造のアーチや、鐘楼に据えられた自然主義と抽象主義が混在する彫刻など、そのあまりに綿密かつ大胆な設計では例を見ない建築物です。
 ガウディが詳細な設計図を残してないこと、さらにスペイン内戦により、ガウディの弟子たちが建築の参考にしていた大型模型が壊れ、ガウディの構想を踏まえて弟子たちが作成した資料などもそのほとんどが消失してしまっているため、完成するまでには300年を要すると言われていました。
 しかし、最新テクノロジーの登場により、サグラダ・ファミリアは2026年にはいよいよ完成に近づきそうです。未完の建築物だったサグラダ・ファミリアを完成へと導く技術とは、3DプリンタやCNC(コンピューター数値制御)の石材加工機、高品質なコンクリートなど最先端を行く技術。サグラダ・ファミリアでは長く、手づくりの模型や逆さ吊り実験を使って構造計算が行われてきましたが、3D CADやコンピューターによる構造解析によって、構造解析が容易になり、設計や模型の製作が一気にスピードアップしました。
 スペインを代表とする観光名所となったサグラダ・ファミリアに押し寄せる観光客からの観光収入も、工期短縮を後押ししています。入場者が年々増え、サグラダ・ファミリアは建設のために必要な潤沢な資金源を得ているからです。
 2026年は、ガウディ没後100年にあたる年。現在、建設が進んでいる中央の塔は、既存の塔よりもさらに巨大なものになる予定だとか。2026年のサグラダ・ファミリアの完成形が楽しみです。

TEAM SUSTINA