建設業界の数字

Vol.05

2017.08.09

世界一の自立式電波塔

東京スカイツリー (東京都墨田区)

文・三田村 蕗子

634 m

 世界一の自立式電波塔、東京スカイツリーの高さは634メートル。広く一般に覚えやすい数字にするため、東京、埼玉、神奈川の一部を含む大規模な地域を指す旧国名の武藏、「634=むさし」に決定されました。
 2008年7月14日に着工し、3年半の期間をかけて、2012年2月29日に竣工した東京スカイツリーの足元は、一辺約70mの正三角形。上に向かうにつれ少しずつ三角形が円形に近づき、高さ約300メートルで正円になるというユニークな構造です。
 重さは、展望台を含んで約36000トン。350メートルの高さにある東京スカイツリー天望デッキには約2000人、450メートルの高さにある東京スカイツリー天望回廊には約900人が収容できます。関東一円を見渡すことができるスロープ状の天望回廊からの展望はまさに絶景。多くの人が足を運ぶゆえんです。
 随所に日本の伝統美や江戸の原風景を継承するデザインが取り入れられている点も、東京スカイツリーの大きな魅力といえるでしょう。そのシルエットは、空に向かって伸びる大きな木をイメージし、伝統的な日本刀がもつ「そり」や、寺院や神社の柱に見られる中央がゆるやかにふくらんだ形の「むくり」が表現されています。「そり」も「むくり」も伝統的な日本建築によく見られる形状。見る角度によって東京スカイツリーが多彩な陰影を作り出している秘密はここにあります。
 色にも「和」の趣が息づいています。塔体には、日本の伝統色であり、最も薄い藍染の色である「藍白」をベースにしたオリジナルカラー「スカイツリーホワイト」が使用されています。ライティングは、江戸の心意気を表し、隅田川の水をモチーフとした淡いブルーの「粋」と、鉄骨の細かな構造体を衣に見立て、優雅で気品あるイメージを表現した紫色の「雅」の2色。1日毎に変化する2つの光は東京スカイツリーのシンボルです。

TEAM SUSTINA