建設業界の数字

Vol.06

2017.08.09

日本一の高さのダム

黒部ダム (富山県中新川郡立山町)

文・三田村 蕗子

186 m

 日本一で一番高さのあるダムは、富山県東部の黒部川上流にある黒部ダム。日本最大のアーチ式ダムであり、その高さは186メートルにおよんでいます。黒部ダムは、富山県ではもっとも高い構造物でもあるのです。
 1963年に完成した黒部ダムは、発電に利用する水の確保を主な目的として建設されましたが、水量が多く、あまりにも奥地にあることから工事は難航を極めました。建設のプロセスは「世紀の大事業」として語り継がれ、映画化もされています。
 建設工事は当初はなかなかはかどらず、事故も多発したことから、途中で水抜きトンネルを掘り、薬剤とコンクリートで固めながら掘り進める技術が導入されました。建設には当時の金額で513億の巨費が投じられ、投入された人手は延べ1000万人。完成までに要した年月は約7年。総貯水量は約2億立方メートル、総貯水量は約2億立方メートルにおよんでいます。この貯水量は、石油の輸送に使われる超大型タンカー約1000隻分。どれだけの水を内部にたたえているかがよくわかる数字です。
 黒部ダムはその強固な作りから、これからも約250年はダムとして機能すると見込まれています。さまざまな意味で当時の常識を覆したダム、それが黒部ダムなのです。
 世紀の大事業・黒部ダムも、1964年8月から観光が可能になり、現在は観光地としても大人気。毎年、6月26日~10月15日には、のべ100万人以上の観光客が訪れています。この時期に実施される「観光放水」は必見です。放水量は毎秒10立方メートル以上。日本一高い186mのダムから水煙をあげながら大量の水が放水されるシーンは、立山黒部アルペンルートのハイライトの一つといってもいいでしょう。

TEAM SUSTINA